ネイルと手先の構造

ネイルケアについて話をする前に、まずはネイルや手先がどのような構造になっているかをしっかり理解しておく必要があります。人間の皮膚は外界に接するため、一定の強度を備えていなくてはなりません。体温を保ち、侵入するウイルスなどから体内の器官を守ってくれます。そのため、皮膚には防水性と柔軟性があり、自己修復機能が備わっています。
全身の皮膚の中でも手を覆う皮膚は皮下組織を守る盾のような役目も持っており、触覚が他の器官に比べて格段に敏感になっています。皮膚には神経終末が集中しており、無数の感覚に対して反応をします。皮脂を分泌する皮脂腺もあり、皮膚にうるおいと防水性を与えてくれます。また汗腺も多くなっており、体外にいち早く毒素を排出してくれる役割もあります。
皮膚は三層の構造をしており、一番外側にあるのが表皮です。表皮は5つの層によって構成されており、表皮の中でも最も外側にあるのが角質層です。角質層は常に入れ替わりをしており、古くなった角質は順に剥がれ落ちてゆきます。手をこすったり洗ったりすると、そのたびごとに皮膚の細胞が剥離していきます。
手が荒れるというのはこの角質の喪失に次の皮膚の再生が追いつかない状態となっているということです。表皮にある「ケラチン」という水を通さないロウ質のタンパク質がなくなることで、皮膚全体の強度が弱くなります。ケラチンは皮膚だけでなく爪や髪の毛にも含まれているので、このケラチンをいかに維持してゆくかがポイントとなります。